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改まった態度に、4人が驚いた表情で俺を凝視した。
陽奈はどうやら早くハンバーグが食べたいのか、箸を持ったままソワソワしていた。
「父さん、母さん…それから、陽奈のお父さん、お母さん、」
1人ずつ顔を見て、声をかけた。
「…俺達、実は年明けから付き合ってるんだけど、」
「え!」
4人が同時に声を上げた。他に何か言いたそうだったから、それを右の手のひらで止めて。間髪入れずに言った。
「結婚、することになりました、」
「ええっ!」
ーーーバンザーイ!
声を上げたのは、陽奈のお母さんだった。両手を天高く上げて、目を潤ませている。
すると、つられた様に陽奈のお父さんまで万歳し始めて。その様子に、俺と陽奈は目が点だった。
「私、大和くんに陽奈を貰って欲しかったのよ…!」
「確かに、大和くんだったら安心だ!」
「こんな身近に、こんな良い男居ないわよ!」
喜んでくれている陽奈の両親を見て、俺が安堵したのも束の間、母さんが横槍を入れた。
「そんな良い男じゃないわよ?まあ陽奈ちゃんのこと大好きなのは昔からの筋金入りだけど、」
「母さん!」
余計な事は言わないでくれ、という気持ちを込めて呼び止めたけど、母さんは止まらなかった。
「小さい時に風邪引いて寝込んでた時なんて、陽奈ちゃんに会えなくて寂しくて、『陽奈は今何してるかなあ?』って毎日何回もずーっと言ってたのよ」
「ちょ、」
「大人になってからもずっと陽奈ちゃん追いかけ回してるから、この子は一生結婚出来ないと思ってたの。ほぼストーカーだからね、」
ドッと笑う他の5人。逃げ出したいくらい恥ずかしかったけど、
「まあ、でも良かったじゃない。おめでとう、」
「おめでとう!」
最後にお互いの両親に祝福されて、まあ、悪い気はしなかった。
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