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 次の日,看護師からの報告をもとに警察関係者による倉庫の捜査が行われた。看護師の何気ない日報を見た医師が院長に報告し,それが院長の親族の一人である警察官に伝えられた。  倉庫には,建築現場で使用する見慣れない金属製の道具や大型の缶に入った塗料など,ホームセンターにありそうなもので溢れかえっていた。資材置き場として使われているため危険なものも多く,安全靴とヘルメットの着用が義務付けられた。  倉庫の奥に緑色のドラム缶が何本か置いてあり,そのうちの1つに山上の遺体が入っているのが見付かった。  すぐに警察による非常線が張られ,鑑識員が現場の写真撮影と状況の記録や計測,すべての痕跡の保存を始めた。結衣の病院にいる別の警察官は,すぐに病院の防犯カメラとお見舞いに来た人たちが記帳する用紙を確認し,お見舞いに来た人たちのリストが作られていった。  倉庫の奥では,遺体を見た若い警察官がその場で嘔吐した。遺体は大きな分厚いビニール袋に入れられていたが,首が切断され,山上が自分の首を抱きかかえるような体勢でドラム缶に入っていた。  袋を開けたことで腐敗臭が一気に充満し,倉庫の外にいる人も鼻を押さえるほどだった。そしてドラム缶から遺体を出すと,腰から下の関節がすべて砕かれているのがわかった。  山上の遺体を運び出すため,数名の警察官が協力しあって遺体をブルーシートで包んだ。そして切り離された頭を持った警察官が,人目につかないように頭部をタオルで巻こうとした瞬間そのまま嘔吐した。  警察官が山上の口を開けてみると,口の中いっぱいに山上のペニスが詰め込まれていた。
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