それは、ただの

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「…」 久々に目を覚ました、どれぐらいの時間が立っていたのだろうか 私は、不思議な存在だった 自身がそうしようとするまで、死を迎えることは無かった いつ生まれたか、どうして産まれたか わからなかったし、わかることもない その形をしていても、人では無かった 少女の姿でいるのは、あの日を忘れたくないからだろう 巣に…学校とやらに行っても違和感無い姿、服装 いつだったか この星にいた人々は、星を汚し、そのまま逃げ出した、または死んだ 立ち上がる あの子の眠る場所のその上で、眠っていた 『墓』というのを作った 汚染が原因で、直ぐに劣化する 私は本当に眠ろうと思う あの子がそうしたように あの子の、影を追って それしかすることが無い それに縋るしかない また、瞳を閉じた 身体は壊れる、消えていく 夢から醒めた、その星には、そこにあったものは 既に何も、残ってはいない
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