それは、ただの

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私は、星を見てきた 人はいずれ増えて、星を汚染した、破壊した、 そして、離れていった、別の星に逃げた その少し前のことだった これは数十年…数百年間…数千年前のことかもしれない 私はヒトの巣の上に立ち、ヒトの巣に覆われた星を見た そこで出会った一人の少女が、しほというヒト 彼女は私を恐れつつも、友好的に話し掛けた ただ、暇つぶしだったのかもしれない ヒトの振りをした 彼女と『お友達』になった 私はよくその巣の上に行くようになった 彼女は、よくここに来て、様々なヒトの事情を教えてくれた 争い、ミサイル、死人、実験、混乱、市民の巻き込み、ヒトのヒトによる自滅 星から離れる人も多い 「私はそれに、選ばれなかった」 「私は、置いていかれた」 「見捨てられた」 彼女は、そう言った
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