それは、ただの

8/9
前へ
/9ページ
次へ
「だから…私、寿命まで辿り着けずにに死んじゃうかもしれないの…ねえ、みかちゃんはあの抽選、当たった? …ごめんね、聞いちゃって…もしかしたら、とても辛いかもしれないのに…」 「うちは、ハズレだよ、一緒だね」 そう言った、一人の少女は、それを聞いて…悲しんだ 共に居られることを喜べばいいのに、他人の不幸を悲しんだ―――――― 「目を、覚まそうよ、あの子はもう居ないよ」 「あの子は…死んでしまった…私には、どうすることも出来なかった…」 「仕方の無いことだったよ…ねえ…」 「私、私は…あの子に生きていて欲しかった、方法は無かったんだ…どうしようも…無かった」 「だからって、夢を見続けるの?」 夢を… 夢を、見始めたのは、星が壊れてから間もなかった、彼女が消えてから、間もなかった ずっと、夢の中に居た 起きていたくなかった 少女の振りをして、あの少女と過ごしたかった ほんの暇つぶしのつもりだった あの嘘をつき続けたかった 「もう、目を覚まさないと」 もう、現実を見ないといけないだろう 「うん、起きようか…待ってるね」 彼女の姿をした自分は、そう言った
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加