ベジタリアン・ヴァンパイア

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 それは一体どういうとことだと尋ねる前に、アリシアは二階の廊下の突き当りにある部屋の前で足を止めた。  二階の廊下もやはり真っ暗で、月明かりのお陰で夜だというのに窓の外の方が明るく見える。 「レン、入るわよ」  言いながらコンコンと扉をノックしたアリシアは、中からの返答を待たずに扉を開けた。  その先の光景に、晴人は愕然とした。  屋敷の中同様、真っ暗な室内。その室内を、壁際のデスクに所狭しと並べられた複数のPCモニターが照らしている。  ズラリと並んだモニターに囲まれるようにして座っているのは、確かに黒執レンだった。  だがしかし。  その容姿は、いつぞやの入学式で皆の目を釘付けにしていた美少年のソレとは大きくかけ離れている。  黒ぶちの眼鏡をかけ、寝起きそのままなのかあちこち寝癖のついた頭にはヘッドホン。右手はPCのキーボードを素早くタイプしながら、左手はゲームのコントローラーを忙しなく操作している。更に片足をイスの座面に載せ、もう一方の足は床に置かれたゲームパッドを操っていた。  難病? 死亡? 幽霊?  どれもとんでもない。  今目の前に居る少年は、どう見ても『完全引きこもりニート』もしくは『重度ネトゲ依存症』だ。     
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