#4 悪夢の理由は

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全身から血の気が引いていく感覚に襲われた。 息苦しさが身を包み体が言うことを聞かなくなる。 駄目だ。 このままではまた、また僕は。 眺めているだけになってしまう。 砂に足を絡められ地面に倒れ込む視界の隅には、彼女の姿なんてとっくになかった。 遅かった。あと一歩で。 あの悲劇が、また目の前で。 僕は声にならない叫びを上げ、夕日が光る中ゆっくりと意識を殺した。
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