#4 悪夢の理由は

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「………辞めたい。」 仕事も、何もかも。 「それでいいんだ。江ノ原さん。それが、君の本性なのさ。」 おはよう。 やっと目を覚ましてくれたね。 フードの下で笑っている顔が、口角を穏やかに上げた。 これが正解だったみたいだ。 「…また今度が、来たよ。」 「え?」 独り言のような訳のわからない言葉に一瞬戸惑っていると、彼はあれだけひた隠しにしていたフードの端を手に取り、少し乱暴に払ってみせた。 彼の素顔が、丸見えになる。 「!?…お、お前、」 「そういう事だ。直樹。」 俺はお前なのさ。 いつも見ることができなかったフードの下にあった顔は寸分違わず全く同じで、まさしくもう一人の俺と言うべきか。 そっくりさんとは言い難いくらい似た俺が笑っていたのだ。
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