154人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、まだまだこれからの高校だけどね」
「えぇ!?良いんですか?そんな高校で」
「良いんだよ。それに俊哉さんがいるしな」
「はぁ・・・」
呆気にとられる後輩。
そんな後輩の表情に琢磨はフッと笑みを溢すと荷物を持つ。
「じゃ」
「あ、お疲れ様です!」
背を向け手をヒラヒラと振りながら帰って行く琢磨。
自転車に乗りながら帰り、途中コンビニで買い物をして自宅へと到着した。
「ただいま?」
「あらお帰り琢磨。ちょうど良かったわ。お客さんよ」
玄関に入ってくる琢磨を母親が出迎えると、すぐに来客が来ている事を聞く。
琢磨はその来客が誰であるかは何となく検討がついていた。
「宮原、琢磨くんだね」
「はぁ・・・」
母親に連れられてリビングへと向かうとスーツ姿の男性が2人いた。
その男性2人は立ち上がると琢磨の目を見て話し出す。
「私たちは、桐旺高校野球部の者だ」
「桐旺・・・」
琢磨はその高校の名前を知っていた。
県内でも明倭に次いで実力のある強豪校で、何より特徴は破壊力のある打撃だ。
だがこの高校は県内からは殆ど入部者が無く大半が県外から来る、所謂野球留学生を集めている高校だ。
そんな高校が、何故俺に?と疑問に感じながらも話を聞くことになった。
最初のコメントを投稿しよう!