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「実はね、宮原君には我らが桐旺に来て欲しいと思うんだ。噂には聞いていると思うが野球部の大半が県外出身の生徒たち。県内には殆ど入部者がいない」
「はい。存じております。なので、何故自分に?自分は必要ないのでは?」
率直に疑問をぶつける琢磨。
「いや、これでも県内でも有数の実力者には色々と声をかけてるんだよ。君の実力は予々聞いているよ?全国区の実力者であるとね」
「ありがとうございます。光栄です」
「いえいえ。そこでだ、是非宮原君にも我が桐旺に・・・」
「お断りします」
「来て・・・え?」
スーツの男性が言い終える前に答える琢磨に、男性は呆気にとられた。
「えっと?」
「申し訳ございませんが、桐旺さんには入りません」
「と、なると・・・明倭かな?」
「いえ違います。先日お声を掛けていただきましたが断りました。」
「そしたら・・・まさか県外かい?陵應とか、羅新とかかい?」
「その二つもお断りさせて頂きました」
「そしたら、宮原君は何処に行くんだい?」
若干焦りが見えているのだろう、額に汗を滲ませる男性は琢磨に進学予定先を聞いて来る。
「はい。静岡聖陵学院です」
「せ、聖陵?おい何処だ?」
「いえ・・そんな高校聞いたことも・・・あ、そういえば秋季大会の県大会初戦でウチと当たった高校では?」
「あぁ?、あの手も足も出せずにウチにコールド喰らった弱小校か」
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