第一章 ルーキー達

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「連休終わって少しひと月後には修学旅行だな」 「・・・え?」 「え?」  竹下の言葉に立ち止まる俊哉。  その俊哉の言葉に竹下も立ち止まる。 「修学旅行?」 「え?うん、修学旅行」 「うそ?まじで?」 「いやいや、連休前先生話してたじゃん。プリントも配ったし・・・」 「えぇ?っと・・・」  腕を組みながら考える俊哉。  どうやら俊哉は話を完全に聞いていなかったらしく、竹下の言葉に驚いていた。 「お前、そういうとこあるよね・・・」 「いやぁ照れるな」 「褒めてねぇし」  照れる俊哉にツッコム竹下。  ゴールデンウィークが終わってから約ひと月後、聖陵学院二年生は修学旅行がある。  そんな高校生活の一大イベントでもある行事を、俊哉は忘れていたのであった。 「ちなみにどこ行くの?」 「北海道」 「わぁー」 「カニ料理、ラーメン、寿司」 「わぁー」 「ちゃんと話し聞いとけやトシ」 「言い返せねぇわ」  今になって、楽しみが実感できてきた俊哉であった。  第一章 ルーキー達  完
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