第零章 次なる物語のピース

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(でも、案外俊哉さん。もう想い人居たりしてな・・・)  そう考えながら琢磨もまた自分の部屋へと戻って行くのであった。  それからまた月日が流れていき、年が明け琢磨の中学生活も残り三ヶ月を切った。  吐く息は白くまだ寒い季節の中だが琢磨はトレーニングを怠る事は無い。  シニアはオフシーズンの為、ジム等に行ってはトレーニングをし身体を作るとともに、琢磨はもう一つ勉強もしていた。 「聖陵に入るにしても試験受からなきゃな」  スポーツ推薦が無い聖陵学院。  入学する方法は1つ、入試を受けるしかない。  トレーニングと並行して受験勉強もする琢磨。  琢磨自身、成績は悪くは無い為、不合格という事は無いであろうが準備は怠らないのは彼の性格ゆえである。  そして受験の日を迎えた。  会場である聖陵学院に中学の制服でやってくる琢磨は、教室へ入ると様々な中学の制服を着た生徒たちが椅子に座っていた。 (ピリピリしてる・・・)  受験を控える生徒たちはピリピリしていた。  聖陵学院は進学校でもあり決して簡単に入学できる訳では無い。  と行っても基本さえできてれば合格は可能だ。 (俺の机は・・・ここか)  受験票を見ながら歩く琢磨は教室の一番隅に置いてある机を見つけると椅子に座る。     
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