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そこから月日は過ぎていき3月。
中学校では卒業式が行われており大勢の生徒らが講堂の中で整列していた。
その中に琢磨もおり、中学生活最後の日を身をもって感じている。
「またね」
「高校でも同じだね」
「遊びに行こうね」
「卒業旅行忘れないでね」
卒業式が終わり生徒たちが正門の前で友人らと話しながら涙したり、卒業式に来てくれた後輩らと話しをしたりと、各々が別れの時を過ごす。
琢磨の元にも同級生や後輩らが来てくれて話しをしながら談笑するが、彼は決して泣きはしなかった。
むしろひと月先の事が楽しみでならなかったのだ。
「おう琢磨?」
「お?、亮斗?」
卒業証書の入った筒を振りながら寄ってくる亮斗に琢磨は笑顔で返事をする。
「いやぁ、卒業だな」
「だなぁ。あっという間だったな」
「確かに」
そんな話をしながら互いに笑う琢磨と亮斗。
すると2人の視線の先には琢磨の母親とマキ、そして亮斗の両親がやって来るのを確認する。
「あ、いたいた2人とも」
マキが琢磨と亮斗に気づくと手を振りながら駆け寄ってくる。
「二人ともおめでとう」
「ありがと」
「ありがとうマキ姉」
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