第参章 2度目の夏

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 土屋の言葉に、山梨はウンウンと何度か頷いているのを見る俊哉は彼が冗談で言っているのでは無いなと感じる。 「だから山梨君も油断しないように」 「最初から油断してる気はねぇよ?特にトシにはな」 「え?」 「コイツは何か気味が悪い。いい意味でな」 「それは良い意味なのかな?」 「勿論褒め言葉だよ」 「そ、そうなのか?」  こうも色々言われると俊哉も恥ずかしくて仕方がないだろう。  優勝候補のエースに言われて悪い気はしないが、どこか不気味にも感じてしまう。  すると移動になるのか、俊哉に“そろそろ行くぞ!”と声がかけられる。 「移動か。じゃあね。」 「おう。今度はグラウンドだな。」 「だね。」 「じゃあね俊哉君。次はマウンドと打席で会おう。」 「うん。頑張るよ土屋君。」  山梨、土屋から別れの言葉をかけられ俊哉は笑顔を見せながら手を振り去って行く。  そして山梨、土屋もチームに戻り移動を始めるのであった。  開会式の後に行われる開幕戦。  聖陵の選手たちはスタンドで見学をする事になった。 「ひでぇ試合だな、、、」  そう呟く竹下。  開幕戦の展開は初回から3点づつ入ると、二回三回と互いに得点が入る。  そして五回を終わった次点で7?7の同点と中々の打撃戦(?)である。 「あ、また入った」  エラーで得点が入り勝ち越す。     
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