第参章 2度目の夏

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 だが次の回では、今度が先ほど勝ち越した方が守備でエラーをし同点に追いつかれる。 「スッゲェ疲れる展開だな。」 「まぁこれもまた野球だからね、、、」  竹下がげんなりしながら話すのに対し俊哉は苦笑いを見せながら話す。  結局、試合は12?11のサヨナラエラーで後攻チームが勝利する形となったが観戦している選手や観客には中々疲れる試合となっただろう。 「さ、帰るぞ。」  春瀬監督の言葉に選手たちは立ち上がり球場を後にする。  球場の外で解散となり各々帰路へと着く選手たち。  俊哉たちも私鉄へと乗り新静岡駅へと向かう。 「俺らの試合は来週の日曜日だっけ?」 「そう、場所は草薙球場で9時から。」 「うへ。早いなぁ。」 「草薙だからまだ良い方だよ。」  電車に揺られながら自分たちの試合の話をする。 「トシ、開会式の後に明倭の土屋と話してたろ。」 「してたよ?」 「何か言ってたか?」  俊哉の隣に座っていた秀樹が、先ほどの土屋と山梨との会話を聞いて来る。 「決勝で待ってるってさ。」 「流石王者の貫禄だな。」 「あはは、確かに。」  先ほど言われたままの言葉を言うと秀樹は笑う。 「でも土屋君はマジだったよ。」 「それだけ期待してるって事かな?」 「さぁ・・・でも、俺らも止まるつもりは無いよね?」 「勿論。」     
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