第参章 2度目の夏

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 俊哉と秀樹は互いに顔を見合わせ笑う。  一年目は20人にも満たない人数で挑んだ夏と秋は、完全に実力不足を味わった。  互いに課題を見つけ、この夏に向けてトレーニングを積んできた。  そして入部してきた有望なルーキー達。  新たな聖陵野球部として今年彼らは夏に挑むのである。 「さぁ初戦が楽しみだなぁ。」 「期待してるぜ?トシ。」 「あはは、すごい怖い。」  秀樹の言葉に笑いながら答える俊哉。  そんな彼らの載せた電車は、新静岡駅へと向かう。  新静岡駅へと到着すると選手らはバラバラになりながら解散。  俊哉は琢磨、亮斗と一緒に自宅へと戻る。 「俊哉さん。」 「ん?」 「俊哉さんは、今年の夏はどこまで行きたいですか?」  唐突な質問に俊哉は少し言葉に詰まる。  “どこまで行きたいですか?”と言う言葉に俊哉は考えてしまった。 「えっと、、、真面目な感じで?」 「勿論です」 「そっか、、、。実は今日、明倭の土屋と話をする機会があったんだ」 「え?」  先ほどの出来事を話す俊哉に琢磨は驚いた。  甲子園常連校の明倭のエースである土屋と俊哉が話をしていた事に対して、琢磨は非常に驚いていた。 「知り合いなんですか?」 「え?まぁ去年の夏戦ってからねぇ、連絡先も交換したし」     
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