第参章 2度目の夏

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第29話 仲良しさん  土曜日の草薙球場。  今この時期は夏大会予選の真っ最中である。  そして、聖陵学院野球部もまたこの日初戦を迎えていた。 「はぁ、、、」 「お。トシ緊張してんの?」 「そりゃあねぇ、俺はいつも公式戦の初戦はこんな感じだよ?」 「へぇ、意外だな」  ベンチに座りながら大きく深呼吸をする俊哉に明輝弘が話しかける。  俊哉は笑顔を見せるも、明輝弘から見ても緊張しているのが分かる。 (緊張感ないように見えて、すごい緊張してるんだな。意外だな)  俊哉を見ながらそう考える明輝弘。  今更ながら俊哉の意外な一面を見れたのだ。 「よしみんな!行こう!」 『はい!』 「トシ、、、」 「うん。大丈夫、、、大丈夫」  早川の言葉に選手達が返事をし立ち上がる。  最後に俊哉もゆっくりと立ち上がりグラウンドへと向かうのあった。  場所を変えてスタンドでは、休日とあって学校の生徒も見に来ていた。  聖陵学院側のスタンドではギッシリとはいかなかったものの、それなりに生徒達が足を運んで来てくれていた。 「いよいよだよぉ。」 「心優ちゃん嬉しそうだねぇ。」 「勿論。ずっと楽しみにしてたんだぁ。」     
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