第参章 2度目の夏

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 そんなやり取りがワイワイとスタンドで行われている頃、グラウンドではベンチ前にて春瀬監督を囲うように集まっていた。 「よし。今日のオーダーを言うぞ」  春瀬監督からオーダーの発表がされ、選手達は固唾を呑んで発表を待つ。 1:琢磨・遊 2:山本・二 3:俊哉・中 4:明輝弘・一 5:堀・右 6:早川・三 7:竹下・捕 8:秀樹・投 9:青木・左 「・・・このオーダーで戦う。」 『はい!』  聖陵の開幕戦は一年の琢磨を入れたベストメンバーに近い形だ。  先発は秀樹が登板する。 「さぁ行こう!!」 『はい!』  春瀬監督の掛け声で選手全員が返事をする。  そして試合開始時間となり両校の選手達がベンチ前に並ぶ。 「トシ。」 「ん?何、明輝弘?」 「今年の夏は、大暴れするぞ。」 「あぁ、勿論だ」  明輝弘の言葉に俊哉がニッと笑みを浮かべて言う。  その次の瞬間、審判団の号令と共に選手達が一気に走り出し整列をした。 「互いに!礼!!」 『宜しくお願いします!』  互いに挨拶をすると球場からサイレン音とまばらな拍手が響く。  聖陵は先攻の為ベンチへと戻り、今日対戦する清水水産高等学校の選手達が守備へと着く。 「スミちゃん。相手のデータとか分かる?」 「んー、あの子一年生みたいね。練習試合のデータもほとんど無いみたい」 「んー、そうかぁ。」     
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