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なんと彼も野球部への入部を考えていたのである。
三平にとってこれ以上の驚きと嬉しさは無い。
なんと自分の後ろの席に座る2人が同じ野球部に入るという事。
三平自身彼らと絶対仲良くできる。
そう確信していた。
そして解散となると、三平はすぐに後ろにいる琢磨と亮斗へ話しかける。
「ねぇ君たち!!野球部に入るの?!」
元気いっぱいの声で話し掛ける三平に二人は驚くように三平の顔を見る。
「まぁそうだけど?」
「そういやお前も野球部とか言ってたな」
そう話す二人に三平は目を輝かせながら言った。
「奇跡だよ!この部員数も足りない野球部にいきなり3人の部員が揃うなんて!!これは奇跡以外の何物でもないよ!!僕たちで!!この学校を甲子園へ導こう!!」
力強く言い放ち手を差し出す三平。
その彼の眼には一切の曇りのない輝きがあった。
これから自分たちがこの高校を強くしていくんだ。
そういう気持ちが見えた。
「いや、それはいいんだけどさ」
話し出すのは琢磨。
手を差し出されたので軽く握手をするが、すぐに手を離し話を続ける。
「この高校。普通に野球部の人数足りてるし、活動してるぞ?」
「…え?」
「それに弱くないし」
「…え?!」
三平の言葉が教室中に響く。
4月の聖陵学院にまた新たな風が吹き込んできた。
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