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唯一仲の良かった友人は東京へと行ってしまい1人でこの聖陵に来たのである。
だが入学式初日にまさか二人もこうして連絡先を交換してくれる仲間に出会えた事に感動を覚えていたのだ。
「そうだ、琢磨君と亮斗君はポジションどこ?」
「俺はショート」
「俺はセカンド。これでも俺ら中学ん時シニアで二遊間組んでたんだぜ?」
得意げに話す亮斗。
琢磨がショートで亮斗がセカンド。
今までの雰囲気を見てこの二人なら良いコンビなのだろうと三平は感じた。
「三平はキャッチャーだっけ?」
「そうだよ?意外でしょ?」
「いや予想通り」
「あれ?!」
あっさりと返される三平に三人は笑う。
この短時間であっという間に距離が縮んだように感じる三平。
その後三人は教室を後にしそのまま帰宅の途へと着く。
「じゃあな~」
「うん。また明日」
自転車に跨り手を振る琢磨と亮斗。
三平はバスに乗っての帰宅の為、バス停で二人と別れを告げた。
自転車で走り去る二人を見送る三平の表情はどこか寂しげではあったが、この後3年間は三人で居れるとあって最高に嬉しく思っていた。
(よかった。上手くやって行けそうだよ。)
心で安堵を感じながらバスへと乗る三平。
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