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焦りながらプリントを必死に拾う女子生徒を見た柚子は見て見ぬふりは出来ないと感じ一緒にしゃがみ込みプリントを拾う。
「もう、何やってるのよ~」
そんな事を言う柚子であるが、自分の不注意もありぶつかってしまった為、自分の発言に心の中で後悔してしまう。
「ご、ごめんなさい」
今にも泣きそうな表情でプリントを拾うその女子生徒。
柚子も手伝い早くプリントを拾い終え柚子はその女子生徒にプリントを渡す。
「あ、ありがとう…」
と少し震えた声でお礼を言う女子生徒に柚子は
「あ、こっちも…ぶつかって…ゴメン」
小さな声で言うと、女子生徒は少しキョトンとしながらもパッと笑顔になり話す。
「ううん。こっちこそ急いでて前見てなかったから、拾ってくれてありがとう。えっと…」
「あ、えっと…私は柚子、夜桜柚子」
「わ、私は瀬里心優。ありがとね柚子ちゃん」
笑顔をパッと咲かしお礼を言われる柚子は嬉しさを覚えた。
高校で初めて同級生と話したのである。
しかも、心の無い皮肉めいた事を言っても嫌な顔せず笑顔を見せてくれた心優にどこか心の中に安心感というか満たされた感じを覚えたのである。
(また、明日も会えるかなって…同級生だし会えるわよね…)
柚子は初めて明日の学校へ行く楽しみを覚えたのである。
その帰り道、彼女の足は軽く感じた。
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