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明らかに焦りながら首を振る柚子に怪しいと感じた心優と椛愛がジト目で柚子を睨むように見続ける。
柚子は動揺しているのか彼女たちと目を合わせないようにし「あはは」と笑って誤魔化す。
「あやしいぃ」
「あやしい」
そう口ずさむ椛愛と心優。
柚子は「な、何でもないわよ!」と何処から見ても何でも無くはないこの状況だが、必死に誤魔化そうとする。
すると椛愛がピンと来た。
「もしかしたら、さっきの先輩の事・・」
「あ~!あ~!」
「実は好きなんじゃ…」
「あ~!あ~!!!」
椛愛の言葉を遮ろうと大きな声を出しながら椛愛の口を塞ぐ柚子。
彼女の顔は次第に真っ赤に変色し心優も流石にどういった事かが理解出来た。
「はぁ~…へぇ~」
「そうなんだぁ~」
とニヤニヤしながら柚子を見る二人。
柚子は顔を赤くしたままプルプルと小刻みに震える。
「ぐぅ・・・・」
「で、ユズちゃん。どうなの?」
「そうそう。どうなのぉ?」
聞いて来る椛愛と心優。
すると柚子はダッと走り出しその場から逃走した。
「あ!…行っちゃった」
「ちょっと、ユズちゃんに言い過ぎたかな?」
と申し訳なさそうに話す心優に椛愛も同じ気持ちだったのであろう。
今度二人で謝りに行こうと決めたのである。
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