第一章 ルーキー達

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第6話:試合がしたいです  とある練習の日。  いつも通りに練習をし、いつもの様に終わって帰る。  そんな日常が待っているはずだった。  だが・・・  この日、一人の男子生との言葉で一気に変わる。  事の発端は練習後の監督からの話の中で起こった事だ。 「あの、いいですか?」 「ん?あぁ宮原、どうした?」  挙手をするのは琢磨。  春瀬監督が琢磨を呼ぶと、琢磨は立ち上がり話をする。 「あの、1つ提案していいですか?」 「なんだ?」  琢磨の言葉に春瀬監督は提案が何かを聞き返す。 「そろそろ自分たち一年生達の実力を見てもらいたいと思います。」 「ふむ。具体的に?」  春瀬監督は、この瞬間に琢磨に対して不思議な感じを感じていた。  入部してからと言うもの、琢磨ん動きは実に堂々としている。  先輩にもハッキリと物を言う彼の度胸に感心すら覚える。  そんな琢磨の言葉に、春瀬監督はどこか期待していた。 「試合をしてもらいたいと思います」 「試合・・・」 「はい」 「試合といっても、対外試合は」 「いえ、対外試合ではないです。」  春瀬監督の言葉を遮る琢磨。  そして琢磨は目線を動かし俊哉をジッと見つめる。 「二、三年生と試合をさせてください」     
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