第四章 夏休み特別編

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 “特に変化は無し。いたって元気で部屋でゴロゴロしている”という返答が返ってきた。 「そうかぁ・・・・。」 「何か気になるのか?」 「うぅん。あの時、最後の打者になった事で、俊哉先輩の心が大丈夫かなって・・・」  確かに決勝戦で最後の打者となってしまった俊哉。  試合終了後しばらくは崩れるほど泣いており、其の姿は琢磨も初めて見た程だった。 「んー・・・・俊哉さんなら大丈夫だと思うけど?」 「そう信じたいんだけどね。ねぇ柚子ちゃん」 「え?!いきなり私にフルの?!」 「いやいや、柚子ちゃんが最初に話してきたんじゃん」 「いやそれは、そうだけどさ・・・・。」  話を振られたことに驚く柚子。  そしてそんな柚子に対しツッコミを入れる心優。 「え?夜桜は俊哉さん気になるんだ?」 「べ、別にそんな訳じゃぁー」 「気になるんだよねー」 「か、椛愛!!?」 「もういつまでそうしてるのぉ?」  椛愛の言葉に顔を真っ赤にしながら言い訳じみた言葉を羅列させる柚子。 「へぇ。夜桜そうなんだ」 「そうなんだよぉー」  琢磨の言葉に椛愛がニコニコと笑顔を見せながら答える。 「ちょ!!?何で椛愛が答えるのよ?!」 「いいじゃんー」  大慌てで話す柚子に椛愛はクスクスと笑いながら話す。     
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