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『マジで!?」
俊哉の言葉がホール内に響く。
だが会場に詰めかけた人々の声などによってかき消され近くにいた人は驚いたが、全員の視線が集まることは無かった。
そんな俊哉に対し、司は小さくコクリと頷くが目線を落としてしまい俊哉の顔を見ることができなかった。
(見れないよぉ?、ヤバい女と思われるよ絶対?。パル?)
司のマイナス思考が頭の中をグルグルと巡らせていく。
「司ちゃん・・・」
「は、はい・・・」
低いトーンに聞こえ、ビクッとさせながら返事をする司は恐る恐る俊哉の顔を見る。
「・・・すごい!」
「へ?」
「すごいよ!コレ本当に司ちゃんが?!」
「は、はい」
「うわぁ?。凄い興奮したよ!まさか身近の人がこんな凄いテクニックを持ったガンプラ作る人がいるなんて・・・凄いよ?」
「え?あ・・・」
「・・・え!?」
興奮しながら話す俊哉。
その瞬間、司の心の何かがプツンと切れたのかポロッと涙を零す。
司から出てきた突然の涙にギョッとする俊哉は慌てて司に話しかける。
「え!?え!?俺何かマズイこと言った!?」
「いえ違うんです・・・私、こんなプラモデル作っていること知って、変な女だと言われるんじゃないかと思って」
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