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店内の音遠のく。かわりに雀のさえずり、出勤する車の通る音、クラクション等。
ハナ「(OFFから)ケンちゃーん、ごめん、待ちよった?」
ケン「よ、よせよ、ハナさん、腕なんかからませて。出勤する人たちが見るじ
ゃないか」
ハナ「(艶笑)なんね、よかくさ。うちらもういい仲になっとっと?えずがり
(臆病者)」
ケン「えずがり?なにそれ。とにかく止めてくれよ。はずかしい」
ハナ「あいた、また博多弁出たったい。すみまっせん。ほな腕は解くけろ身体 はひっつけます。逃げんようにしとくばい」
ケン「ハナさん、あ、歩きにくい…」
通行人A「(舌打ちする)水商売もんの、朝っから」
通行人B「見たむなかね(嘲笑し遠のく)」
ハナ「なんね、馬鹿にしくさって。天神のよか会社に勤めよるか知らんけろ、
あげん男のいっちょんすかん。うちはケンちゃんみたいな可愛か人が好きや。ケンちゃんはどう?うちのことすいとーと?」
ケン「うーん、だから、往来で云うに云えぬことを聞きたもうな」
ハナ「(笑う)ごめんなさい。ほなケンちゃん、あたきんのう、あ、いや、あ
たしの家にまた寄って行かんね。な?朝ごはんあがっていきんしゃい。ゆうべのうちに用意しとっとよ。それから湯使って、それから…いや!すかん!はよ行こ、行こ」
ケン「ま、また腕をからめて…」
【天神オフィス街、昼と夜で表情一変…ハナとケンはやばい…?】
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