第五章これが最後だ!ヤンキー娘、雨降って地固まる。

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そんなザルビア観光で発案した例の開墾地も、あれからあっという間にポツポツと畑が出来て人も住みだした。 しかも、これから掛かる開墾地費用をあの温泉で稼ぎだしているから、抜け目がない。ゆくゆくは、温泉街にして、あの土地でしか食べれないものを作って観光スポットにするぞ!と息巻いてるトーカ。 豊かな土地になるには、あと数年は掛かるだろうと言われた開墾地は、今や緑豊かなものになり始め専門家から牛やヤギの糞だけで、あそこまで豊かになるのはおかしいと疑問の声が上がっている。 これもなのかと疑いが出る。あいつは、知識の益をもたらす迷い人ではなく、別の益なのかもしれない。これも、俺の憶測だ…。 そして、トーカが起こした奇跡はもう1つあった。 ローレリアのミランダ妃だ。 "子供を身籠った"と、この前ルビナス様が知らせてきた。姫さんの"お守り"という願掛けが効いたのかもしれんぞと喜んでいたが、俺はそれを聞いて顔を引きつらせた。 本当にトーカがやったのではという疑念がここでも湧いたからだ。 魔術もそうだし、極めつけは浄化。そして、此処にきて願掛け…誰もそれに気づいていない。と、言うか誰も信じないだろう……。
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