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ヴォーン、ヴォーン、ヴォーンと森の中から奇怪な声が聞こえたと思ったら、突如森から得体の知れない者が現れた。
その場に居たすべての者は、戦いをピタリと止める。
凄いスピードでこちらに向かって来るそいつ。
敵の新手の助っ人かと思い敵大将を見ると、何が起ったか分からずに焦ってるのを見て、お互いの知り得ない者と把握できた。
「騎士隊!ザルビア軍及び森より出現した奇怪な者に対して、隊列を組めーっ!!」
そう部下に馬上から指示を出した。
慌てた敵ザルビア軍も、同じように奇怪な者に対して剣を向けて威嚇する。
もう自分達の戦いどころではなかった。
奇怪な者が乗っているのは、馬ではなくどう見ても鉄で出来た馬?のような分からないもの…。何しにこちらに向かって来たのかも分からない。
そして、その鉄で出来た馬に乗っている人間の姿はどう見ても女。金髪の髪を一括りにし、マントでもない奇妙な黒の服をはためかせていた。
怪我でも負っているのか、胸付近は包帯のようなもので体をグルグル巻きにしている。
しかも、それを隠すようでもなく前を全開だ。
「女子が何という破廉恥な格好を!」
思わず舌打ちをして、どんどんこちらに近づく女を睨み付けた。
「ベルナール隊長、どうしますか!!」
「私が前に出る!お前達はザルビア軍を頼む!!」
「了解しました!」
ザルビア軍も私の声が聞こえたのか、得体の知れない奇怪な者を任せたとばかりに動き出した。
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