第一章ヤンキー娘、異世界に行く

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後方でザルビア軍と私の隊が競り合う中、鉄の馬に乗った女がすでにそこ来ていて鉄の馬をピタリと止めていた。 先程の腹に響く鳴き声も今は聞こえない。良く躾けられた馬だと思った。 私は、背筋を伸ばして目の前に居る女子に問う。 「我が名は、ターベル国第一騎士団隊長ベルナール。貴殿は何処の者か!」 『I can not speak English!』 「それは、何語か?!魔術の言葉か?!」 『I can not speak English……ってか、普通に言葉通じてたんやった!外国人みたら、英語喋らなあかんっていう条件反射は、日本人の(さが)やなぁ、、、』 「?」 『えーと、取り敢えず手ぇ貸すわ!!ほんじゃ、後で!』 そう言って再度鉄の馬がヴォーンと鳴いたと思ったら、後方の戦いの中に入って行く。途中戦いの最中に死んだ男の剣……ではなく、鞘を掴みそれを持って振り回す。 敵も味方もその女子の戦い方に絶句した。 だが、敵の太刀筋が見えてるようで、しっかりと交わしながら相手を気絶させている。 しかも『何や、動き鈍い奴等やな?ギャグってんの?それとも、やっぱこれ撮影か?後でこの場面早回しして、スピード感出すとか?』などと、私の部下に意味の分からない言葉を入り混ぜて質問する始末。そんな話をしながらも、余裕で斬りつけてくる敵に回し蹴りを当てていた…。 挙句、『ガソリン勿体ないし、降りて戦うわ』と言って、優勢な鉄の馬から降りた女子、、、。 そんな女子の(さや)を構えるさまが、隙だらけのように見えるのは私だけだろうか……? あっけに取られながらその戦い方を見ていたら、1人のザルビア兵がその女子の前に立った。
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