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「結局、総長の遺体上がらないらしい…しかもバイクも見つかってねぇ…」
「何処までいっても、あの人らしい死に方っすね」
花束を河川敷に供えて手を合わせ泣く俺の横で、ケラケラ笑いながら答える軽い男。
「健太は、悲しくないのかよ!!お前一応副総長だろうが!!」
「一応ってとこ突っ込んでもいいっすか?」
「…………俺、マジお前嫌いかも」
「奇遇っすね。俺も、三上さんのこと嫌いっす」
「……殴っていいか」
「聞いて殴るんすか?俺、もちろん断りますよ?」
「・・・。」
「俺だって悲しいっすよ…」
「け、健太ー!お前強がってたんだな。ぐすっ、此処には俺だけだ。正直に吐露しろ!さぁ心のままに思いをゲロしろ!!」
「俺、3000円貰い損ねたっすよ!悲しいっす!!」
「・・・。」
「何すか?俺、正直な気持ちゲロしたっすよ?」
三上がユラリと健太に近づき、おもむろに羽交い絞めをし耳元で囁く。
「昔、主人が死ぬと、召使や従者も一緒に殉死したらしい…」
「って、何故に羽交い絞めして河に進むんすか!俺、死ぬの嫌っすからね!しかも、それいつの世の話しっすか!!」
「お前、何でそんなにケロッとしてんだよ!!一番、可愛がって貰ってたくせに!!」
その言葉にすぐ反論の言葉を吐きだした健太。
「冗談でプロレス技かけられて肋骨折られたり、根性だとか言って一緒に立ち入り禁止の崖を登らされて、ファイト一発的な事をさせられた俺に言います?」
「………やっぱ、恨んでたのか?」
「その可哀想な子を見る目、止めてもらえます?恨んでないっすよ。やった後のフォローが…可愛いというか何ていうか…恨めないというか…モゴモゴモゴ」
「やっぱ、お前殉死しろ」
「何でそうなるんすか!」
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