第一章ヤンキー娘、異世界に行く

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『なぁ…まだターベルって国に着かへんのか?』 あれから1時間以上は経過してると思う。いい加減ケツが痛い…。 私がケツをモゾモゾさせているとベルナールは傍に居た騎士に「マントを脱げ」と言ってマントを取上げた。それを私のケツに轢く。 マントを取られた騎士が若干嫌な顔をしたのは気のせいだろうか…。でもその騎士には悪いが、そのマントがクッション代わりになって私のケツは安泰だ。しわくちゃになろうが有り難く使わせてもらう。マントのおかげでモゾモゾ動く事のなくなった私にベルナールが呟いた。 「……あの丘を越えたらターベル国だ。もう少し我慢されよ」 いつ着くのか解らなかったものが、目の前の丘を指さされて安堵に変わる。 ベルナールが言った通り、丘を越えると大きな城壁に囲まれた街が見…え…………ん?!結構遠かった…。 街があんなに小さく見えるという事は、結構な距離があるんじゃね? ガックリと肩を落とし身長の高いベルナールを見上げると、どうした?というような顔をされた。他の騎士達は私と違って「もうすぐだ」と言って嬉しそうに声を上げている。こいつ等の言うもう少しって、このぐらいの距離を言うんやな。 覚えとこう…そう1人ごちる私。
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