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『う…ん…?………此処は、何処や?』
豪華な部屋のベットの上で目が覚める。
どのくらい寝ていたのか、私は寝間着を着せられていた。
少しボーっとした頭で起き上ると、ちょうど扉が開く。そちらに顔を向けると、
吃驚したような顔で私を見る男が立っていた。
「・・・もう、お目ざめになられましたか。だいぶ早いですね・・・」
何か考える様子で顎に手を当てる男。
それをじっと見ていたら、私と目が合い溜息をついてこちらにやって来た。
そして膝まづく。
「ようこそローレリアへ、姫様。私はローレリア国神官長の補佐官を務めております、ロスと申します。お見知りおきを・・・」
私は赤毛達に、ローレリアに連れて来られたって事か・・・。
『私をどうするつもりや?』
「貴方には、この部屋で一生暮らして頂きます。そして私も含め何人かの者と契って頂きます」
『はっ、その冗談笑えんな』
「冗談ではありませんよ。一切貴方は公に出ず、子を生して頂く為だけに此処に幽閉されます。生まれた子の中から、次の祖の王を選びます」
そう言って私が寝ているベットに上がるロス。そんなロスを、じっと見つめる。
「何か言いたい事でも?」
『殺すと言っておきながら、今度は幽閉して孕ませるって……。あんた等にとって何が大事なんかよう分からんなと思って』
「決まっているでしょう、勿論祖の王の子孫ですよ。純粋な血は貴方を見れば分かるはずです。尋常じゃない力、それに貴方は分からないで使っていますが、魔術を使っているんですよ」
『マジで!!それは何や!!』
「言葉ですよ。何故私達の言葉が貴方には通じるのでしょうね。順応魔術…。通常の魔術師では出来ませんよ」
『・・・。』
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