第一章ヤンキー娘、異世界に行く

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結局、馬車の中でおっさんが結婚相手に何を求めるかを、切々と聞かされた。 途中から、おっさんに無理な敬語は不要と言われ、言い慣れない敬語に疲れていた私は、直ちにため口になった。 そして何やかんやで漸く屋敷に着いた。 アンビリバボーな屋敷を見て思わず一般庶民的な言葉が出た。 『掃除が大変そうやな………』 玄関で待っていた初老の人が、私の独り言が聞こえたらしく説明してくれる。 「当屋敷には200人が召し使えております。ご心配されませぬよう。初めまして。私、当屋敷で執事を務めておりますフレドリックと申します。ご滞在中は私共があなた様のお世話をさせて頂きます」 そう言ってフレドリックさんがお辞儀をすると横に居た大勢のメイドさん達も頭を下げた。 『お世話になります。私はトーカ。皆さん宜しく頼むわ!!』 そして、すぐにラムスのおっさんは、指示を出した。 「フレドリック、早速トーカ殿を部屋にご案内し着替えを頼む」 「畏まりました。メアリー、ジョアンナ。トーカ様をお部屋に」 そう言って2人のメイドさんが私の前に来て、2階に案内された。
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