第一章ヤンキー娘、異世界に行く

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相手の仲間が、蹴り倒され気絶した"前島さん"という男に駆け寄る。そして、私にビビる男ども… そんな中、パチパチと手を叩いて「さすがっす!惚れ直しました。女としてではなく!」だの「もう女じゃないっすね。実際下にチ〇コついてるんじゃないっすか?」などと失礼極まりない一言を言う健太。 そんな健太に舌打ちしながら、目の前にいる男に向かってドスを効かせて聞いてみた。 『で、戦意喪失してるとこ申し訳ないんやけど、あんた等の総長は何処にいんねん?』 そう…、河川敷に必ず1人で来いタイマンだ!と言って呼び出した張本人の姿が無い。 横に居る健太に「絶対罠っすよ。3000円賭けてもいいっす!」と自信があるのかどうなのかという微妙な金額を言われたが、私は向うの総長の意気込みに賭けた。健太達には隠れて見ていろと指示を出して、今の現状である。 だから腹が立っていた。この失礼極まりない健太に3000円支払わなければならない事に、そして、その元凶を作った向うの総長にだ! ギリギリと怒りで拳を握っていると、 「総~長~、あれじゃないっすか」 そう言った健太の指さす方向に目をやると、へっぴり腰で、河川敷に止めてあるバイクに跨る男を発見。 とことんヘタレな男にブチ切れた瞬間だった。 フットボール選手のように、目の前に居る相手を跳ね飛ばし向かう先はヘタレ野郎。 「ひっ、ひぇ……」 猛突進で迫る私にビビる男。己のバイクに乗って超特急で発進。 私も自分のバイクに跨り、猛スピードで河川敷をその男と追いかけっこを始める。 逃がすかボケが! 『またんかい!お前に明日は無いで』 「ひっ!!」 「あのスピードで追いかけたらやばいって…あちゃー、言わんこっちゃない」 そう言った健太の声と同時にドボーン、ドボーンと立て続けに2回河に何かが落ちる音が河川敷に響いた。
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