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そして、そんなトーカがいた世界がどんなものなのかベルナールから情報をもらう。
トーカが住んでいた世界は魔物の住む世界のようだったとベルナールは言った。
聞けば、墓石のような形の大きな建物がいっぱい立ち並んで、空にある月を隠していたとか。それに付け加え、得体の知れないウゥゥゥウゥゥゥ~~~ファンファンという変な唸り声がよく遠くに聞こえたらしい。
夜というには明るく、昼というには空は黒かったと説明したベルナール。鉄が空を飛び、鉄が水に浮くと言っていた。
見て来たベルナールはいいが、俺には想像が出来ない為もう聞くのを止めた。
ただ感動したのは、ベルナールが持ち帰った本だ。トーカと健太は"なんや、ただの漫画かいな……"といたく興味なさげだったが、俺等からしたら国宝級ものだと思う・・・。
ベルナールから1冊貰ったその国宝級な本をペラペラめくってると、下が騒がしくなった。
"三上さん"を連れてきた健太が鉄の馬に跨って、例のけたたましい鳴き声を出してトーカと城内から出て行ったからだ。
その鳴き声が聞こえなくなった後、額に銀髪がべたりと引っ付いた汗だくなベルナールが、必死にさっきまでトーカがいた所をキョロキョロしていた。
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