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「そうそう、飾り気が無さすぎだからさあ、あたしたちでデコってあげたんでしょ。感謝してよ」 「可愛くって……っ」 「大体さあ、友達って言うけど、本当なの? 付きまとってるだけじゃ、友達とは言わないのよ」 「それは……」  言葉に詰まり俯く小夜。突き出していた手も力を失ってだらん、と落ちた。  誰かが「は」と笑う。 「やっぱりね。夜桜さん、一人が好きみたいだし、迷惑がられてるんじゃないの、あんた」 「そんなこと……っ」  そんなことはない、と、出ていくべきなのだろうか。  でも。  今の話の流れからすると、小夜はいじめられない条件として亜月に近づいた、ということになる。  ――――― 最初から『友達になりたくて』近付いた訳ではないのだ。  助ける義理が、あるだろうか。  根が生えたように動かない足。  答えられないままの小夜。  彼女たちは興味を失ったように「そろそろ予鈴だよ」と誰からともなく言い、その場を立ち去る。  立ち尽くす小夜の背中をしばし見つめていた亜月も、教室へと踵を返した。
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