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さて、スッキリした気分は此処まで。取り敢えずはと扉から店の中を覗いて見るも、
中は薄暗く、明かりが付いている様子は無い。
これはどうしたものか思いつつ、僕は何と無しに扉へ手を掛けては引いてみる。
すると。“カラン…。”とベルが小さく鳴り、店の扉が僅かに開く。
鍵が開いている。と言う事はもう来ているのかな? そう思い店内へと入り。
「おはようございまーす。」
小さめな声で挨拶を飛ばしてみるも、店の中から返事は帰って来ない。
これはやっぱり僕が早く来過ぎたって事になるのかな?
いや、そうなら店が開いている訳無いし……。まさか。
「(店の扉を一晩中開けっ放しにしている。とか?)」
確かにこの辺はどちらかと言えば田舎だけど。
幾ら何でも家の鍵を開けっ放しに出来る程の田舎じゃない。
と言うか田舎でもそれは不用心だと思うし、あっても家程度で。お店は無いだろう。
それ位は誰でも分かってるはずだ。でも……。
頭には昨日の女性マスター。その小さくて寂しそうな後ろ姿が思い出され。
会って間もないのに何と無く、あの人なら有り得そうだな。なんて思ってしまった。
「まあ来て無いならその内来てくれるかな? ただ何もしないのも暇だし、
取り敢えず開店準備ってやつでもして待っていよう。」
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