第一話 第一章

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 ので! バイクゲッツの為に、俺は今年の夏休みはバリバリにバイトしまくるぜぇ!」 「おお、頑張れ。」  気合満点に空へ手を上げて叫ぶ友人。  人通りのあるこんな場所ではやめて欲しい思いながら、  その友人へ気の無い声援を送る。と、何故か彼は固まってしまった。  僕が不思議に思っていると彼は頭をがっくりと落とし。 「そんなんだからよー…。」  彼は顔を此方に向け、曇った表情で。 「今回の夏休みはあんま遊べねーと思うんだ。  すまねぇ! 恒例の山キャンプも出来っかわかんねー!」  彼の無念そうな報告を聞いて、  僕は自分の顔が大きく歪むのを感じた。 「……何でそんなに嬉しそうな顔してんだ?」 「それは───」  嬉しくて当然じゃないか。この前の夏休みには、毎日毎日毎日君が押し掛けて来ては。  何処其処へと無理やり連れ回されたのだから。  それが今年は無いと言われれば笑顔も自然と溢れるさ。そう僕が包み隠さず彼に話すと。 「なんっだよ! 楽しかったろ!?  恒例の山キャンプとか!」 「あれは多分遭難一歩手前だったし。  恒例って言うけど、キャンプはこの前が初めてだったよね。」  確かに少しだけ楽しかったけど、  あんな物を恒例にして欲しくはないのでそれは黙って置こう。     
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