2人が本棚に入れています
本棚に追加
「依頼ねー。どうせアレでしょ? あんま気乗りしないなぁ。
此処は喫茶店で、何でも屋じゃないしー……。」
「あら? そんな事を言っても良いの?
このおしゃれかふぇを建てた時のお金。まだ払い切って貰ってないけど?」
「えっえー!? 建てる時は何時でも良いって言ってたのに!
やっぱ貸しなんて作るもんじゃないかー。」
店長ぼやきながら、既に飲み干したコップから氷を一つ口へ滑らせ。
気怠げにボリボリと食べている。
「それに今回は大掃除なのよ。」
女性客の言葉を受け、店長はより一層気怠げだ。
と、そんな店長とうっかり目が合ってしまう。
其処で自分が無意識にチラ見をしていた事に気が付くと同時。
直感的に嫌な物も感じて、僕は顔事視線を逸らす。
「バイト君。」
だが遅かった。店長は少し上擦った様な声で僕の名を呼ぶ。
嫌な感がするが、無視する訳にも行かない。
「はい。何ですか店長。」
笑顔の店長は立ち上がりカウンター裏に回ってくると。
『此処は良いから。ね? ね?』と言いながら、
僕を店長が今まで座って居た席へと追いやられる。
店長は僕を追いやると、既に洗い終わった食器を手に取り。
布巾で拭きながら咳払いを一つして。
「実は此方の人がね? 家の掃除を手伝って欲しいそうな。」
最初のコメントを投稿しよう!