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その所為か非常に断り辛く。また引き受けても良いかなと思わされてしまったのだ。
まあ良いか。多分この喫茶店に居ても暇なだけ。
それよりはする事の在る方がずっと良い。と、無理やり思う事にした。
「それじゃあ家の近くまで案内するわ。
でもその前にお会計が先ね。」
言いながら小夜さんが立ち上がる。そうだ、此処は喫茶店だったんだ。
僕は出入り口近くにあるレジへ行き、小夜さんのお会計を済ませる。
と、そんな僕らを見ていた店長が。
「小夜がお金払うの初めて見た……。」
驚愕の表情で此方を見詰める店長。
そんな店長に小夜さんは見向きめせず。
「ちゃんとしたお茶を始めて出されたからね。」
「え? いつもは私が───」
「あれはただのお湯って言うのよ。」
冷たく言い放つ小夜さん。
その小夜さんが“行きましょうか。”と言った具合に目配せを送って聞きたので。
「それじゃあ店長。忙しい店長の代わりに行って来ます。」
僕はエプロンをレジ脇に脱ぎ起き。小夜さんと一緒に店を出る。
“カランラカン…。”二人の去った後の店内。
「いってらっしゃーい……。」
店長の寂しそうな言葉がだけが、店内で響く───
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