第一話 第三章

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 申し訳無さと羞恥で口吃ってしまう。 「さ。若い力を貸して頂戴。」  そんな僕に気を使ってくれたのか、深見さんは明るく話し掛けてくれる。  使われた気遣いに応えるように。 「はい。」  少しだけ力強く返事を返す。  笑顔で返事を受け取った深見さんに連れられ、僕は屋敷の中へと入る───  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  ───屋敷の掃除は簡単な物では無かった。  前からしてあると言われた通り、部屋の掃除等は殆無く。  代わりにあったのは女性では動かし辛い家具の裏側とかの掃除。  重い家具をどかしてはその裏を掃除して。  長い廊下を雑巾を掛けて走る。これは少しだけ楽しかった。  まさに大掃除の厄介な部分を詰め合わせた内容。  中々の、違う。かなりの重労働。  確かに女性には元より、年を重ねた深見さんには難しい物だけが残っていた訳だ  育ち盛りの男子高校生でもこれはキツイ。だけどそれでもやり切った。  掃除しながら見る日本家屋を無理やり楽しみ、やり切ったのだ。  力の限りに言われた掃除を片付け、縁側へ倒れ込む様にして寝転がる。 「はぁ!はぁ!はぁ!」  息の荒さを整えられず、ひたすら吸っては吐いてを繰り返す。     
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