第一話 第三章

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「男手として、麦茶分は頑張ります。」 「まあ。頼もしいわ。」  苦笑いしながらそう答えるしか無かった。  此処まで来たからには仕方ないと立ち上がる僕を、  ころころと笑って見詰める深見さん。  その笑顔に何かを感じた気がしたけど、それが何かは分からなかった。  僕は頭を一度振って、難敵足る蔵へと向かう───  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  ───薄暗い蔵の中。  中へは日が余り差さないからか、蔵の中は外よりも幾分か涼しい。  ただやはり暗い。蔵の中の電球が切れているらしく。  蔵の中には明かりが殆ど無い。辛うじて差し込む光と言えば、  開け放たれた蔵の出入り口からと。蔵に入る前に深見さんから借りた懐中電灯の光だけ。  最初はこの中を全て掃除するのかと戦々恐々としたが、そんな事は無かった。  深見さんから言われたのは、蔵の中の埃を軽く払い。  母屋で使わなくなった小物を仕舞い込んで欲しいとの事だった。 「(あの悪戯なっ子な笑顔はそのままの意味だったのかな……。)」 『蔵の中のお掃除は子供には危ないからね。』とは深見さん。  流石の僕も中を見て、どう音を上げようかと考えたが。何とか成りそうだ。     
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