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“ガガガタン”と言う音が聞こえ、微かに差し込んでいた出入り口の光が消える。
まさかと思いながら伸ばした体をゆっくりと戻し、出口の方向へ顔を向けるが。
真っ暗な空間が広がるばかりで、差し込む光は何処へやら。
「(風か?)」
この蔵の扉は二重構造で、石材で出来ているらしい重い二枚扉と、木製の扉が一枚。
深見さんはお年らしく重い方の扉は常時開けっ放しらしい。
実際此処に入る時も重そうな二枚扉は全開だった。なので、閉じたのは木製扉一枚だろう。
だから僕は“閉じ込められた!”なんて取り乱したりもせず。
手にしていた懐中電灯のスイッチをオンに。そしてその光で足元を照らし、
物を壊さにように気を付けながら出入り口へと向かう。
蔵の出入り口に着くと予想通り木製扉が閉まっていただけだった。
正直に話せば、この状況にちょっとだけ驚いた。だけど現実はこんな程度。
僕は小さく鼻で笑い。扉を押し開───けない。
「?」
思いの外重たいのかと、扉を強く押すも開かない。
もう一度強く押すがやっぱり開かない。
「??」
今度は引いて見るが開かず。押す、引くと試しても開かない。
「???」
押しては引いて、また押しては引いて。若干乱暴に成りながら
前後左右に押し引きを繰り返すも。
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