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第一話 第一章
───学校からの帰り道。男子生徒が二人連れ立って道を歩く。
夏休み前。学校最後の投稿日を終えて、家へと帰る道の途中。
隣を歩く友人が不意に僕へと向き直り。
「じゃっじゃーん!」
なんて効果音を自分で出しながら、片手を此方に突き出してくる。
突き出された手には免許証らしき物が握られていた。
パッとそれを見た僕は、角刈りの似合う友人に聞く。
「どっかで拾って来た?」
「何でだよ! おれんに決まってんだろ!
つか拾ったもんを『じゃじゃーん!』何て言いながら見せるかよ!」
「そりゃそうか。」
言われてもう一度握られた物をよく見れば、
顔写真の部分が友人の指で隠れていて分からなかったが。
名前は確かに友人の物だった。本当に拾った訳じゃ無いらしい。
「へぇー凄い。いつの間に取ったんだ?」
「この前風邪で学校休んだ日があったろ?
実はあの日さ、俺試験を受けてたんだよー。」
友人は“へっへー”と笑いながら、僕にズル休みの告白をした。
また何かのゲームの発売日かと思っていたけど、今回はこれか。
免許書を自慢出来て気を良くしている彼は話を続ける。
「免許はゲットした。後はバイク。
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