第二話 第二章

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第二話 第二章

 ───背を木に預け座る少年と子供。  迷子を探して迷子に。そんな良くある失敗例を身をもって体験して分かったのだが。  良くミイラ取りがミイラになる。何て話を聞いても、何も思う事は無かった。  だけど今なら分かる。あれは本当に良くある例だから、良く耳にしていたのだと。  ミイラ取りはミイラになり易い。これからは現実味を込めてこの言葉が使えそうだ。  そんなどうでもいいい事を、地面の落ち葉を見詰めながらぼんやりと考え。  ふと横をチラリと覗く。 「……。」  参ったな。僕よりも大分小さい子供が不安な表情をしている。  大体の居場所はスマホで店長に伝え、場所を動かないとも伝えておいた。  それ程時間も掛からず誰か大人に見付かるとは思う。  いくら店長でも一人で探しには来ないはずだ。多分。  兎に角。救助が来るまでの間このまま無言で居るのも良いだろうけど。 「大丈夫。大体の場所は教えてあるから、直ぐに見付けてもらえるよ。」  なんて、安い気休めが口をついて出てしまう。  自分よりも小さいこの子を安心させないと。  そう思いはする。でも生憎僕は一人っ子で上も下も居ない。     
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