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何て考えながらボウルの中身を混ぜていると。
変な鳴き声を上げながら、店長が開けっ放しの隠し扉から姿を現し。
そのままカウンター席へと雑に腰掛ける。
僕はボウルを置いて、その店長の前に飲み物を差し出しながら。
「おはようございます店長。」
「おははー。」
等と店長は適当な返事をしながら、差し出された飲み物をぐいっと飲み干し。
「麦茶美味しーっ!
改めておはようございます、バイト君。」
寝ぼけ眼だった目はスッキリと見開かれ。意識が覚醒した様子。
相変わらず凄い変わり様、だけどそれも日数を重ねれば慣れてしまうもので。
「おはようございます。」
僕は特に驚く事も無く対応する。
店長へ返事を返しては再びステンレスボウルの中身を混ぜ始める。
その作業を笑顔で見詰めて来る店長。僕はそんな店長へ。
「……今日もですか?」
「勿論です。
良いですか? バイト君。調理担当の腕前を日々確かめる事。
これはカフェのマスターである私に課せられた重大かつ───」
ノリノリでそれっぽい事を語り始めた店長。
調理が終わるまでの間は何時もこんな調子だ。店長の語りを聞き流しながら、
僕は少し前の出来事を思い出す。
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