第二話 第二章

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 その所為とは言わないけど、子供との接し方なんて分からない。  だから気休め程度の言葉しか浮かんで来なかった。  ああ、二人っきりは苦手なんだなぁ……。 「! ……。」 「(何だ?)」  気休めの言葉。だけどその言葉を聞いて、男の子は一瞬だけ喜び。そしてまた直ぐ沈む。  子供らしい素直な反応のお陰で何かがある。と言う事位は僕にも分かった。  話すより聞く。ってやつをしてみようかな。  何かしていれば時間は直ぐに過ぎるだろうし、何より話している間は  この子も不安を忘れられるかも知れない。  等と経験の浅い事この上ない事を考え。男の子に話をさせてみる事に。 「なんでこの山に入ったんだい?  大人や親に入っちゃ駄目だと聞いてなかったとか?」 「……聞いてた。」 「危ないと知ってて入ったって事は、何か理由があるんだね?」  男の子は“ハッ”として此方を見上げ。  言おうか言うまいかと言う葛藤を顔に表す。分かり易いなぁ…。  この位の子なら隠し事も嘘も吐くだろうけど、  まだ隠し通す事も、吐き通す事も難しいみたいだ。 「今なら二人だけだし。良ければ聞かせてくれないかな?」 「だれにも言わない?」 「言わない。」 「ぜったいぜったいだれにも言わない?」 「絶対絶対誰にも言わない。」     
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