0人が本棚に入れています
本棚に追加
その所為とは言わないけど、子供との接し方なんて分からない。
だから気休め程度の言葉しか浮かんで来なかった。
ああ、二人っきりは苦手なんだなぁ……。
「! ……。」
「(何だ?)」
気休めの言葉。だけどその言葉を聞いて、男の子は一瞬だけ喜び。そしてまた直ぐ沈む。
子供らしい素直な反応のお陰で何かがある。と言う事位は僕にも分かった。
話すより聞く。ってやつをしてみようかな。
何かしていれば時間は直ぐに過ぎるだろうし、何より話している間は
この子も不安を忘れられるかも知れない。
等と経験の浅い事この上ない事を考え。男の子に話をさせてみる事に。
「なんでこの山に入ったんだい?
大人や親に入っちゃ駄目だと聞いてなかったとか?」
「……聞いてた。」
「危ないと知ってて入ったって事は、何か理由があるんだね?」
男の子は“ハッ”として此方を見上げ。
言おうか言うまいかと言う葛藤を顔に表す。分かり易いなぁ…。
この位の子なら隠し事も嘘も吐くだろうけど、
まだ隠し通す事も、吐き通す事も難しいみたいだ。
「今なら二人だけだし。良ければ聞かせてくれないかな?」
「だれにも言わない?」
「言わない。」
「ぜったいぜったいだれにも言わない?」
「絶対絶対誰にも言わない。」
最初のコメントを投稿しよう!