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男の子は“ジッ”と僕の顔を、瞳を見詰めてくる。
約束をするからには、僕も何を聞いても誰に言う気はない。
それが危ない事でも無い限りは、だけどね。
まあこんな小さい子がそんな事をしている可能性は低いだろうから、
大丈夫だとは思うけど。
僕の目を見詰めていた男の子は、やがて意を決した様子で。
「あのね。ぼくこの近くの公園でよく遊んでるんだ。」
地面へと視線を落としながら話す男の子。
「それでね。その公園でよく一緒に遊ぶ女の子がいるんだけど。
今日も一緒に砂場でやばいお城を作ってたんだ。」
其処まで話を聞いて、
僕は一つ気に掛かりを感じて思わず子供に尋ねた。
「ヤバイお城?」
「うん。やばいお城。」
どうやら聞き間違いでは無かったらしい。ヤバイお城かぁ…。
個人定期に興味があるのでその所を掘り下げたかったが、
ぐっと我慢をして続きをと。男の子を促す。
「でも、シュウくんたちが来て。『女の子と一緒に遊ぶのは女の子だ!』って…。
ぼくがちがうよって言ったら。『じゃあお城をこわしておれたちといっしょに遊べ。』
って言うから。ぼく。ぼく……。」
成る程ね。この男の子がその後何をしたかは分かる。
多分お城を壊したのだろう。しかしそれがどうしてこの山に?
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