第二話 第二章

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 疲れと得も知れない恐怖心から、何とも言えない思いが胸の内に広がり。  それが全身へと染み込むよ様な感覚。指先から足先まで。  全身に纏わり付くような不快感。  その不快感が足に集中しそうに成った所で、僕は頭を一度強く振る。  と、前を走っていた子供が大きな茂みに突っ込んで行く。  茂みは走っていた子供よりも大きい、と言うか自分よりも大きそうなその茂み。  僕は一瞬も迷わず。 「茂み突っ切るから! 目、瞑って!」  抱えた男の子にそう言い、男の子を枝葉から守るように抱え直しては、  茂みへと体ごと突っ込む。“ガサガサ”と耳元を枝葉がこすれる音がする。  枝葉で目を切らない様に僕も顔を少し背けながら、茂みを通る中。背後で。 「───待てッ!」  そんな声が聞こえた気がして僕の心臓が跳ね上がる。  間違えたかも。そんな思いが頭中を埋め尽くしながらも、茂みの向こうへと着いた。 「……。」  恐る恐る背けた顔を前に向き直し、辺りを確認する。  どうやら自分がいるのは、周りを茂みに囲まれた小さな広場の様だ。  その円のような広場の少し奥まった場所。  其処には長方形の木で出来た社が置かれ、中にはお地蔵様が収められていた。  これとんでもない物を見付けてしまった気がする。そして。 「(息苦しくない?)」     
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