第二話 第二章

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 僕は立ち上がって振り返る。茂みが目に見えて揺れ動いているのが分かる。  そればかりか。“ガササササッ!”茂みの中を何かが通って来ている!  僕は男の子を背に隠す。正直今出来る事などこれぐらいだ。  足は限界でもう抱えて走るなんて出来ない。  やがて茂みの音がどんどんと近付いて来て─── 「ぶわっはっ!」  茂みかき分けて出てくると同時に叫んだその人は。 「店長!」 「マ・ス・タァー!」  身体に付いた葉を払い除けながら、店長は此方に近付き。 「もー。言ってた場所には居ないし。見付けたと思ったら茂みに走り込むし。  一体全体どうしたんです? 青春ですか?青春が君を狂わせたんですか?」 「そ、れはその……。」 「?」  恐ろしいナニカに追われた気がして逃げてました。とは言えない。  暑さで頭がおかしく成ったと思われるかも知れない。僕ならそう思うし……。  茂みに駆け込んだ訳をそうして思い出していると。  ナニカに追われた気がして逃げていた時。最後、茂みに駆け込む瞬間に聞いた声。  あれはもしかして。 「あの。もしかして『待て』って店長が叫びました?」 「叫びましたけど?」  返事を聞いて肩の力が一気に抜ける。どうやら追い掛けて来ていてのは店長だったらしい。     
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